こんにちは。東洋一心堂の院長です。
先日、アメリカ・シカゴで開催された妊活セミナーに講師として招かれ、現地の中医学(東洋医学)の先生方に不妊治療への鍼灸・漢方の活かし方について講演してきました。あわせて、現地で不妊に悩む方の問診・施術にも立ち会う機会がありました。
今回は、アメリカの不妊治療の現場で感じた日本との違いと、国が違っても変わらない東洋医学の視点についてお伝えします。

アメリカの不妊治療の現場で感じたこと
アメリカでは、体外受精(IVF)を中心とした不妊治療が広く行われています。
現地で感じたのは、ホルモン剤の使用量や注射の回数が多く、採卵を何度も繰り返す方が少なくないことです。1日に何本もの注射を続けながら、長期間治療に取り組んでいる方もいらっしゃいました。
一方で、ホルモン値などの検査結果には大きな異常がないのに、なかなか結果につながらず悩んでいる方が多いことも印象的でした。これは日本の妊活相談でもよくお聞きする悩みです。
東洋医学では「数値」の前に「体質」を見る
東洋医学では、検査の数値だけでなく、その方の体質全体を見ていきます。シカゴで問診をした方々にも、日本の患者様と共通する傾向がありました。
- 手足やお腹の冷え
- むくみやすさ、身体の重だるさ
- 疲れやすく、夜中に目が覚めるなどの睡眠の乱れ
- ストレスによる心身の緊張
東洋医学ではこうした状態を、気血の不足や冷え、水分代謝の滞り(湿)、血の巡りの滞り(瘀血)などと捉えます。あくまで東洋医学上の見方ですが、妊娠しやすい身体づくりを考えるうえで大切な手がかりになると考えています。
また、アメリカでは生野菜のサラダやスムージー、氷入りの冷たい飲み物を日常的に摂る食文化があります。東洋医学の観点では、こうした習慣が身体を冷やし、胃腸に負担をかける一因になり得ると考えます。健康的に見える食生活でも、体質によって合う・合わないがあるというのは、日本の患者様にも日頃お伝えしていることです。
日本の妊活にも共通する3つの土台
国や医療制度が違っても、東洋医学が大切にする土台は共通しています。
- 睡眠 ― 夜更かしを避け、できれば22時台には休む
- 冷え対策 ― 冷たい飲食を控え、足元を温める
- 心身の緊張をゆるめる ― 頑張りすぎず、夫婦で協力して取り組む
問診をしていると、不妊の悩みは女性だけの問題にされがちですが、ご夫婦それぞれの体調を一緒に整えていくことが大切だと感じます。
ご自宅でできる養生の一例
シカゴでも日本でもお伝えしている、身体を温める簡単な養生をご紹介します。
- 陳皮(みかんの皮)と皮つき生姜を温かいお湯で淹れて、お茶代わりに飲む
- 毎日20分ほどのぬるめの足湯で、下半身の巡りを助ける
- 午前中に20〜30分の早歩きなど、息が上がりすぎない程度の運動をする
体質によって合う養生は異なりますので、続けてみて違和感がある場合は無理をせずご相談ください。
鍼灸と漢方でできる妊活サポート
鍼灸は身体の緊張をゆるめて巡りを整えること、漢方は内側から気血を補い体質を底上げすることを得意としています。当院では、この二つを体質に合わせて組み合わせることで、病院での不妊治療と並行しながら、妊娠に向けた身体づくりをサポートしています。
不妊治療は身体にも心にも負担のかかるものです。医療機関での治療を続けながら、東洋医学の視点も取り入れてみたいという方は、どうぞお気軽にご相談ください。
※本コラムは東洋医学の考え方に基づくものであり、効果を保証するものではありません。症状によっては医療機関の受診をおすすめします。